【書評】今まで信じてきたものは何だったんだろう。-オーガスト・ハーゲスハイマー『最少の努力でやせる食事の科学』
僕はどちらかと言えば少年時代から肥満気味で、「ダイエット」ということについて興味を持つのが人より早かった方だと思う。
結果的に、ぽっちゃり体型を脱することが出来たのは大学生になってからなのであるが(今もお腹は出てるけど)、そこに至るまでに多くのダイエットや、健康な食生活に関する知識を自らの意思で学んできた。
もちろん、その中には疑問を覚えるものもあったから、実践にあたっては真偽を見極め、そして取捨選択を行ってきたつもりだ。
しかしどうだろう。
本書には僕が知っているのとは違う、真新しいことが書かれている箇所がいくつも存在するのだ。
結局、日本は健康後進国なのか
筆者のオーガストさんは、「アンチエイジングとダイエットの総合事業のプロデュース」を手がけられている方。
栄養学の見地から、
健康的にやせるには運動も大切ですが、それ以上に食生活が重要
オーガスト・ハーゲスハイマー『最小の努力でやせる食事の科学』
という主張をされている。
まぁ、それは確かにそうだ。
どれだけ出て行くものが多くても、入ってくるものがそれを上回る限りは痩せるはずはない。
問題はその先。
一つひとつの栄養や運動に関する項目で、僕の"常識"だったものとかけ離れた内容のものがいくつもあるのだ。
本書で一番多く語られているのが、やはり「糖質」について。
糖質ダイエットは我が国でも広く知られるようになったが、これに関する日本人の誤解はものすごいらしく、様々な"初めて知る"情報が出てくる。
その他、栄養についてもあまり書きすぎるとネタバレになってしまうので、目次の項目から「僕が衝撃を受けたトピックストップ3」を書き留めておく。
- いい油をきちんと摂る
- 温野菜は必ずしもヘルシーではない!?
- 乳製品は体内炎症を起こす原因だった
健康、ダイエットのためにと、肉の脂身や調理の油に気を使い、身体に良い野菜をたくさん食べやすいようにと温野菜を食卓に並べ、丈夫な骨のために一日一杯の牛乳を欠かさない…
そんな、健康を気遣う人が誰もがやりがちな食の常識に、本書では警鐘を鳴らしている。
あと、昨今のランニングブームに際し、「マラソンやジョギングは老けた体をつくるだけ!?」という節も興味深い。
◇
この本の記述を信じるかどうかは、読み手次第。
ちなみに僕の感想を述べるならば、理論的に説明されており、納得性の高い箇所が多いので、"やってみる価値は存分にある"といったところ。
早速、糖質を本書で書かれている程度に収めるように摂取し(カットすればいい、というものではないらしい)、おやつ用にナッツを用意し、毎夜本書で示されている筋トレに勤しんでいる。
効果の検証はその感想も含めて、改めて本ブログに記事を書くことにする。