28歳中間管理職の日記

28歳、中間管理職。肩書にとらわれず、ただ社会人としての価値の向上を。いろいろ書く雑記です。

【書評】「定時で帰れない」と嘆く前に、定時で帰るための努力をしていますか?ー佐々木常夫『上司力×部下力』

国が推し進めようとしている「働き方改革」は、どちらかというと管理者のするべき「働かせ方改革」であって、本当の意味での「働き方改革」はプレイヤーである労働者が、一つひとつの業務の効率と質を上げること(=その結果、残業が減る)だよなぁ。

 

という趣旨の記事を書こうと思っていた矢先、たまたま書店で出会った佐々木常夫さん『上司力×部下力』の表紙の帯。

 

18時に帰るため上司は「計画」にこだわれ!

部下は「効率」を追求せよ!

 

そうそう!そういうこと!さすが佐々木さん!

と思い、手に取った本書。

 

f:id:ko24cs:20180102092307j:plain

 

目新しいことばかりが書いてあるわけではないけれど、本全体を通しての主張が一貫しているし、社会人1年目でも十分理解できるくらいの表現・イラストでまとめられていて、「本当に伝えるべき人にしっかり伝わる内容」という感じの良書です。

 

本質を見極めること、優先順位をつけること、それから効率化をすること

 

本書を通じて、著者の佐々木常夫さんから感じ取ることが出来たメッセージは、この3点に集約されるかなと思います(もちろん、他にも大事なことはたくさん書いてあります)

この本の随所で指摘されていますが、日本人の仕事の中にはあまり正しいとは思えない「仕事に対する美徳(のようなもの)」「労働観」がまだまだ根深く残っていて、それによって真の効率的な仕事が実現できていない部分が多くあると思います。

 

ただ、その現状のせいにするのではなく(←これ重要)、しっかりと1プレイヤーである自らが現状の仕事の「本質を見極め」て、本当に大事なことを「優先順位づけ」して、優先度の高い仕事から順番に時間や集中力、体力などの自らが持つリソース(資源)を投下していく「効率化」をすることが大切だと本書で語られています。

 

それらと少し毛色は違いますが、第4章の「【部下の君へ】上司だって1人の人間だ」や「【上司の君へ】嫌いな部下とどうつき合うか?」あたりは、佐々木常夫さんの名著『働く君に贈る25の言葉』を彷彿とさせる部分も多く、これまた読み応えがあるので併せてオススメです。

 

余談ですが、僕の職場を見ていると、「全然早く帰れない」などと職場環境にぐだぐだ文句を言いながらダラダラといつまでも残業している人に限って、早く帰るための努力をしていないように思えるので、そういう人に読ませてあげたいなと思える本です。

この本に書いてあることを1つでも多く実行して、習慣化することが出来れば、確実に業務効率は上がると思います。