28歳中間管理職の日記

28歳、中間管理職。肩書にとらわれず、ただ社会人としての価値の向上を。いろいろ書く雑記です。

【書評】自分の「生き方」を見極める一冊 ー村上アシシ『半年だけ働く。』

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生きていくためには、働かなければならない。

「働く」と一言で言っても、形や中身は様々だ。

 

働く"形"には、会社員や公務員などとして雇われて働くという選択肢もあれば、自らの腕一本で起業する道もあり、フリーランスとして特定の企業(組織)に属さない働き方もある。

"中身"も、時間と引き換えに給料をもらう仕事もあれば、上げた成果に応じた稼ぎを得る仕事もあるし、自分の専門的なスキルを活かして高い価値を提供し、より高額な対価を受け取る仕事もある。

もちろん、ここに挙げなかったものも、この世の中には数多く存在する。

 

本書は、その一つの選択肢としての「フリーランス」を提示し、稼ぎを得るためのカラクリや仕事の取り方、フリーランスでいることのメリット、さらには最新の労働市場におけるフリーランスの位置付けやリスク、将来的な発展可能性にまで総合的に触れ、理論的にわかりやすく解説した上で

 

 

 

 

 

 

 

今の働き方のままでいいんですか?

 

 

という問題提起を、読者の我々に投げかけている。

 

この本を読んで、我々読者が考えるべきこと

 

本書の「フリーランスに向いている人の特性」という節の「「何とかなる」と楽観視できる人」という項目に、こんな一文がある。

 

自分の力でどうにかなる領域と、どうにもならない領域との明確な線引きを自分自身でしっかりできるかどうか、という点がキモになります。

(中略)

雨が降るのはしょうがない、自分の力でどうにかできるのは「雨対策」と割り切り、自分のできる範囲で「何とかする」姿勢が重要です。

(村上アシシ『半年だけ働く。』P101-102)

 

フリーランスになるにしても、雇われで働き続けるにしても、この考え方は非常に大事だと思う。

自分を省みて、また周りを見渡して、「目指すべき結果に向かって、自分の出来ることに実直に取り組む人」「たいして努力もせず、外的要因のせいにしてばかりの人」が居ると思うが、どちらの人がより良い仕事をして、より高い価値を提供しているだろうか?

よほどの例外がない限りは、前者の方が"良い"と判断されるはずだ。

 

余談だが、この考え方は「(応援しているクラブにとって)良いサポーターの在り方」に通ずるものがあると思う。

 

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敢えて例を出すが、チームがビハインドの厳しい状況下で、「声も出さずに腕組み仁王立ちで、気に入らない審判の判定に対してだけ過剰に反応する人」「チームの追い上げを信じて、より応援の強度を高める人」のどちらが「より良いサポート」を出来ているサポーターだと思うか?

文字にすれば後者一択だと思うが、案外出来ていない人は多い(自分もまだまだ甘いと思うが)

 

弊ブログでも一貫して主張してきた「一人ひとりに出来ることをしっかりとやる」という考え方は、日常生活にも大いに役立つ。

 

 

自分の話で恐縮だが、僕は全く志望していなかった会社に入ることにした(=ここしか内定が出なかったから)から、「この会社で偉くなってやる!」という考えは毛頭なく、「いかに社会人としてのスキルや価値を高めるか」という一点にフォーカスして、これまで4年弱仕事をしてきた。

 

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その結果として、仕事もそこそこ上手くいき、今年からは裁量権の大きいポストに就かせてもらい、日々より高い価値を提供する努力をしながら、土日にはコンサドーレの応援で全国を飛び回ることが出来ている。

同期や周りの先輩、後輩には「楽しそうだね」とか「いいなぁ、羨ましいよ」と言われることも日に日に増えてきたが、僕から言いたいのは「それを手にするための目標を立てて、そのための努力をしろよ」ということだけである。(角が立つから言わないけど)

 

これは僕の感想だが、この本を読んで「よし!チャレンジしてみよう!」と思い、すぐに実行計画の策定に移れる人は、フリーランスを含めた新たな道を模索する価値は十分にあると思う。

逆に、「こんなの優秀なアシシさんだから出来ることでしょ」と少しでも思ってしまった人は、現時点では多分今のライフスタイルに甘んじていた方がいい。

今の生活に十分な満足を得ていて、変わる必要がないと自分で判断するのなら、現状をさらにより良いものにするための努力をすればいい。

 

「自分の出来ること」の伸びしろや発展可能性を信じて努力することを選択するか、自分以外の何かのせい(自分はどうせできない、という思い込みも含む)にして何も努力しないことを選択するか。

本書を読んで、我々読者が考えるべきことはこれである。

 

その見極めをするのに、本書は良いきっかけになる。

読み終わったときの感想や、自らの内に情熱が燃え上がってくるかどうかという感覚を、大事に捉えたい。

 

 

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