【書評】方法は書いてなくね?―千田琢哉『大好きなことで、食べていく方法を教えよう。』
薄味のごっちゃ煮みたいな本だった。
「大好きなことで食べていく」というコピーが、村上アシシさん著『半年だけ働く。』の「"好きなこと"ではなく"得意なこと"で稼ぐ」という意見と対立するものだったので、「自分はどっち派かな~」などと軽い気持ちで手に取った本書。
結論から言うと、「方法」を教える本として見たときには、勝負にならないくらい『半年だけ働く。』の圧勝でした。
要は「自己啓発書に書いてありがちな40のコト」
本書は5章構成で合計40の節がありますが、内容的にバラバラで「ただなんとなく、ありがたそうなことを並べてみました」感のある構成。
それがタイトルにあるところの「方法」なら良いんですが、具体的な記述はなし。薄味。
随所で語られる実践例が筆者の成功体験ばかりなのも、「方法」を教える本としては再現性低いな~と感じます。
せめてこれだけは…!を言うなら、各節の短い文章の終わりを全て「大好きなことで食べていくためには(承前)」というような形で統一するなりした方が、まだ納得感はあったかもしれません。
これは筆者というよりも、企画構成の段階での問題かなという気もします。