0対4から始まったサポーター生活で、僕が手にしたもの
「最後昇格して、"あんな試合もあったよねぇ"って言えれば良いんじゃないの」
2011年10月19日、少し肌寒い西京極の水曜ナイター。
京都サンガに0対4で大敗を喫した試合が、僕のコンサドーレ札幌初観戦&ゴール裏デビュー戦だった。
昇格を争う中で絶望的で衝撃的な試合結果だとは思うが、当時はチームのことも選手のことも何もわからなかったから、「櫛引って変わった名前w」「うわ、キーパー韓国人(ホスン)かよ」という2つの感想と、とにかくボコボコ点を取られていく様と、冒頭のサポーター仲間の言葉しか覚えていない。
あと1つ、限りなく薄まってしまっている記憶を手繰り寄せて書くとすれば、この試合後のゴール裏の雰囲気は、確か悪くなかった。
みんなで「J1昇格」という目標に向かって突き進んでいるという感じで、目の前の試合の結果よりも今後の試合で何を出来るかを、みんなが冷静に見ている様子だった気がする。
しかしこのときの僕と言えば、友達に誘われてなんとなくゴール裏に来ました~くらいのモチベーションなのでどこか他人事で、「サッカーの応援席ってこんな感じなんだ」くらいにしか思っていなかったように記憶している。
当時の僕が、今年の僕を見たらどう思うだろうか。
2018年5月20日。
対ヴィッセル神戸、奇しくも同じ関西アウェイで、0対4で負けた。
リーグ戦で負け試合を見たのは本当に久しぶりだったし、試合内容も試合内容だったしめちゃくちゃ悔しかったけど、なんだか不思議な感覚だった。
当時、蚊帳の外から見ていた「0対4」というスコアが"自分のもの"になった。
その瞬間、「選手を励ましてやらなきゃ」と思って、身体が自然とゴール裏の最前列に向かっていた。
サポーターって、こういう試合にこそ必要なのかなと思った。
— こにし (@knight24_k) 2018年5月20日
どれだけ声出したって跳んだって選手たちの気持ちが切れたら追いつけも追い越せもしないけど、サポーターがどんな苦境でもバリバリ応援やってたら「まだ諦めちゃダメだ」って思ってくれるんじゃないかなって。
物事には良いときも、悪いときもある。
調子が良いときに、その流れに乗じて盛り上がるのは簡単だ。
悪いときに、掲げた目標を達成するためにその組織の一員として何が出来るか。
大事で、しかし難しいのはこちらの方だと思う。
サッカーの応援だけではない。人生もきっとそうだ。
眼前に広がる「0対4」という結果を目の当たりにして、自分がコンサドーレ札幌のサポーターとして後押しすることが出来るようになって良かったと思うし、自分をそうしてくれたコンサドーレ札幌というチームに感謝し、誇りに思う。
中断期間、一旦落ち着いて立て直せる。
ACL出場権獲得という目標に向けて、強くなろう。僕たちサポーターも。
◇
最後に、ここにこんな言葉を記しておこう。
「最後ACL出場権獲得して、"あんな試合もあったよねぇ"って言えれば良いんじゃないの」
良い雰囲気作ろう。頑張ろう。