【書評】「流される力」を身につけよう-泉正人『お金原論』
ーーお金は今や単なる「数値」にすぎない
そんなタイトルがつけられた第1章から始まる、泉正人さんの『お金原論』
「お金」の本質が時代とともに変化して、単なる「数値」となっている現代。
物質としての「お金」の扱い方ではなく、数値としての「お金」のコントロール方法を学んでいくことの重要性を説いた本である。
「お金」と「信用」の関係性、わかっているようで実はわかっていない世の中のお金の原則など、読み進めるごとに「ハッ」とさせられることも多い。
その他、お金のコントロール方法としてのお金の使い方や、お金に関する教養の"STAGE"の話、また以前当ブログの別記事でも紹介した「投資」「消費」「浪費」の考え方など、様々な切り口でお金について語られているが、その中で僕が気に入っているのが「流される力」という箇所だ。
「流される力」とは?
簡単にまとめると、「今お金に対する悩みがあるなら自分の考えを捨てて、結果を出している人の考え方や判断を素直に吸収して、行動したほうが正しい結果を得られる確率が高いですよね」ということ。
基本的な考え方としてはお金に関することだけではなく、仕事や生活においても通ずるものがある。
ただ、一見容易なことに見えるけれど、実際に自分の考えを捨てて、他人の考え方を素直に吸収して実行するというのは、相当難しい。
続きに、「流される力」の効用として、以下のようなことが書かれている。
すぐに実行に移すことで、自分がどんどんと新しい経験を積み、成長できる。仮に、やってみたら思ったほどでもなかったということがあったとしても、それ自体が立派な経験として自分の中に残る。(『お金原論』泉正人)
確かにそうだよなぁ…日々意識して生活したい。
ちなみに、僕が実践してる「流され」は、他人にオススメされた本をAmazonでワンクリック衝動買いをすること。
この買い物は、泉正人さんが言うところの「投資」に他ならないし、信頼している相手からのオススメなら買うか否かを考える必要もなかろう。
何を隠そうこの『お金原論』も、良い刺激を与えてくれる友人からのオススメで即購入した。流されて大正解だった。非常に良い本なので、ぜひ。
「30代で知っておきたい「お金の知性」の高め方」というサブタイトルがついているが、出来れば20代の、就職して数年経ったタイミングで読んでおきたい1冊だと思う。